情報処理安全確保支援士午後 事例記述令和6年 秋期
午後 問1

問1 インシデントレスポンス

テーマ:インシデントレスポンス
左右2分割表示:左側の問題文をスクロールしながら右側の設問に解答できます

長文事例本文

図表クリックで拡大
L社は,従業員100名のソフトウェア開発会社である。L社の社内システムは,情報システム部(以下,情シス部という)が,運用及びインシデント対応を行っている。 L社は,E社のSaaSを使用している。L社のネットワーク構成を図1に,図1の各構成要素の仕様,機能及び利用方法を表1に示す。
図1 L社のネットワーク構成(抜粋) 拡大
図1 L社のネットワーク構成(抜粋)
表1 図1の各構成要素の仕様,機能及び利用方法(抜粋) 拡大
表1 図1の各構成要素の仕様,機能及び利用方法(抜粋)
〔ツールの開発〕 情シス部のX主任とYさんは,インシデント対応時にログの調査に手間どらないように,証拠データを収集するツール(以下,Fツールという)を開発することにした。Fツールの概要を図2に示す。
図2 Fツールの概要(抜粋) 拡大
図2 Fツールの概要(抜粋)
表2 Fツールの出力ファイル 拡大
表2 Fツールの出力ファイル
〔インシデント発生時のFツール活用〕 12月6日,情シス部のYさんは,プロキシサービスからアラートメールを受信した。Yさんが,アラートメールを確認したところ,PC-Aが,https://〇〇〇.com/にアクセスしようとしてアクセスが拒否されたこと及びそのURLがベンダー拒否リストのマルウェア感染のカテゴリに一致したことが分かり,上司のX主任に報告した。 PC-Aが割り当てられている従業員に連絡した上で,X主任は,PC-Aを一旦,仮想環境の仮想スイッチから切り離してFツールを実行し,Fツールの出力ファイルとプロキシサービスの通信ログから,https://〇〇〇.com/にアクセスした原因を調査するようにYさんに指示した。 PC-AでのFツールの出力ファイルのうち,time.csvを表3に,net2.csvを表4に,プロキシサービスの通信ログのうち送信元がPC-Aであるものを表5に示す。
表3 PC-Aのtime.csv(抜粋) 拡大
表3 PC-Aのtime.csv(抜粋)
表4 PC-Aのnet2.csv(抜粋) 拡大
表4 PC-Aのnet2.csv(抜粋)
表5 プロキシサービスの通信ログのうち送信元がPC-Aであるもの(抜粋) 拡大
表5 プロキシサービスの通信ログのうち送信元がPC-Aであるもの(抜粋)
〔暫定対策と追加調査の実施〕 X主任とYさんは,PC-Aがマルウェアに感染し,PC-A及びa上のファイルのほか,b上のファイルのうち,アカウントcでアクセス可能なファイルがインターネットに送信されているおそれがあると考え,図3の暫定対策と追加調査を行った。
図3 暫定対策と追加調査 拡大
図3 暫定対策と追加調査
また,X主任はPC-Aの証拠データと,PC-Aの調査で収集できたi.ps1をセキュリティ専門会社であるC社に提供し,解析を依頼した。C社の解析結果を図4に示す。
図4 C社の解析結果(概要) 拡大
図4 C社の解析結果(概要)
Yさんは図4の解析結果から,図3の追加調査の1及び2では,図4で解析したマルウェアが,今後,活動する可能性があるL社内ホストを見逃したおそれがあると考えた。Yさんは③追加調査の3として,L社内ホストの全てに対して新たな調査を行う必要があるのではないかとX主任に相談した。X主任は同意し,調査には時間が掛かるので,調査と並行して,④図4のマルウェアの活動を自動的に検出する新たな仕組みを作るように指示した。 この追加調査の3では,aだけがマルウェアに感染した可能性があることが判明し,必要な対処を行った。また,新たにマルウェアの活動は検出されなかったので,復旧に向け対応を進めることにした。 〔技術的対策の立案〕 X主任とYさんは,今回と同様のマルウェア感染が起きた場合に備えて,図3の暫定対策以外に,攻撃者による目的実行までの活動を阻止するための技術的対策を,表6のとおりにまとめた。
表6 攻撃者による目的実行までの活動を阻止するための技術的対策 拡大
表6 攻撃者による目的実行までの活動を阻止するための技術的対策
今後,表6中の技術的対策について,X主任とYさんが中心となって導入の計画立案を進めることにした。

設問一覧 & 解答・演習

まずは解答を作成してみましょう。「解答例を見る」をクリックするとIPA公式解答例と採点基準が開きます。

設問1 (1)記号・選択式
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
本文中及び図3中のaに入れる適切なホスト名を答えよ。
※直接入力してください
設問1 (2)記号・選択式
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
本文中のbに入れる適切なホスト名を答えよ。
※直接入力してください
設問1 (3)記号・選択式
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
本文中及び図3中のcに入れる適切なアカウント名を,表3の注記1に従って答えよ。
※直接入力してください
設問1 (4)記述問題
制限字数:10 字以内
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
図3中のdに入れる適切な対策を10字以内で答えよ。
0 / 10 文字
設問1 (5)記述問題
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
図3中の下線①について,対策の内容を,具体的に答えよ。
0 文字
設問1 (6)記述問題
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
図3中の下線②について,調査の内容を,具体的に答えよ。
0 文字
設問1 (7)記述問題
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
本文中の下線③について,調査の内容を,具体的に答えよ。
0 文字
設問1 (8)記述問題
〔暫定対策と追加調査の実施〕について答えよ。
本文中の下線④について,検出する仕組みを,二つ答えよ。
0 文字
設問2記述問題
表6中のe,fに入れる適切な字句を答えよ。
0 文字
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【出題趣旨】IPA公式発表
サイバー攻撃はエンドポイントへの侵入から始まることが多い。攻撃者は,マルウェアを仕掛けた後に,より高い権限の奪取を試みたり,ほかのエンドポイントを探索したりする。そのため,エンドポイントのセキュリティ対策としてログの分析が重要になってきている。 インシデント発生時に迅速に対応するためには,どのような攻撃を受けているのかをログから推測・確認する対応力が必要となる。本問では,ソフトウェア開発会社の社内システムの運用及びインシデント対応を題材として,ログを解析する能力及び技術的対策を立案する能力を問う。
【採点講評】IPA公式発表
問1では,ソフトウェア開発会社の社内システムの運用及びインシデントレスポンスを題材に,ログを調査する能力及び技術的対策を立案について出題した。全体として正答率は平均的であった。 設問1(3)は,正答率が高かった。被害の可能性を複数のログから適切に読み取ることができていた。 設問1(8)は,正答率が平均的であった。どのログを確認するかの記述がない解答が多かった。マルウェアの動作によって,どのログに何が記録されているかを考え,検知の仕組みを設計できる能力を培ってほしい。 設問2fは,正答率がやや低かった。ファイルサーバのアクセス権を最小限にするといった解答が散見されたが,マルウェアは,特別な権限なしにファイルを持ち出している。ファイルの持出しに対する技術的対策は複数考えられるが,インシデントで起きたファイルの持出しを防止できる対策を選択してほしい。
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