ネットワークスペシャリスト午後II 総合事例記述平成27年 秋期
午後II 問1

問1 リモート保守用情報システムのネットワーク基盤拡張に関するネットワーク設計・構築

テーマ:リモート保守用情報システムのネットワーク基盤拡張に関するネットワーク設計・構築
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長文事例本文

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問1 ネットワーク基盤の拡張に関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。 K社は,様々な用途の空調設備(以下,設備という)を製造し,保守サービスにも力を入れている。全国の保守センタに配備された保守員が,顧客のオフィスや工場などを訪問して,設備の点検や修理を行っている。今後は,リモート保守などの新サービスを提供する予定である。 〔現在の保守システム〕 現在の保守システムの構成を図1に示す。
図1 現在の保守システムの構成 拡大
図1 現在の保守システムの構成
・保守員は,保守端末を携帯して顧客へ出向き,設備の点検,修理を行う。 ・保守員は,無線LANを介して保守端末から設備に,HTTPを使ったアクセスを行うことができ,設備の稼働情報を参照したり,設備を操作したりする。 ・K社データセンタには,2台のWebサーバと2台の業務サーバが設置され,両サーバによって保守情報が管理されている。 ・必要に応じて,保守員は保守センタのPC又は保守端末からWebサーバへアクセスし,保守情報を参照,更新する。アクセスを受けたWebサーバは,一部の処理を業務サーバに依頼する。 K社データセンタ内のネットワーク構成を,図2に示す。
図2 K社データセンタ内のネットワーク構成(抜粋) 拡大
図2 K社データセンタ内のネットワーク構成(抜粋)
・リンクアグリゲーションで接続された3組のL2SWは,それぞれ単一の異なるセグメントを構成している。 ・FW及びLBは,Active-Standby方式で冗長化されている。 ・L2SWとサーバの接続は,サーバのチーミング機能によって冗長化されている。 ・Webサーバと業務サーバのデフォルトゲートウェイは,LBである。 ・Webサーバと業務サーバへのアクセスは,LBによって負荷分散されている。 ・Webサーバと業務サーバへアクセスするための仮想IPアドレスが,それぞれに定義されている。LBは,宛先の仮想IPアドレスを実IPアドレスに変換し,サーバへのアクセスを振り分ける。Webサーバから業務サーバへのアクセスについては,両サーバが同一セグメント内にあるので, [ あ ] アドレスも変換する。 通常時のサーバへのアクセスに関するデータの流れを,図3に示す。
図3 通常時のサーバへのアクセスに関するデータの流れ 拡大
図3 通常時のサーバへのアクセスに関するデータの流れ
〔保守システムの機能強化〕 情報システム部では,新サービスの提供に当たり,保守システムの機能強化プロジェクトを予定している。機能強化では,新業務サーバをK社データセンタに設置して,全設備の稼働情報を継続的に収集し,それを保守員が参照する。また,保守センタから設備の操作(設定変更,ファームウェア更新)を行ったり,設備の稼働情報(運転実績,維持温度)を参照したりする。ところが,図1に示すように,現在の保守システムでは,ネットワークを介して設備へアクセスすることができない。そこで,情報システム部では,2種類のネットワーク機器(通信アダプタと中継装置)を導入し,設備へのネットワークアクセスを実現しようとしている。 機能強化に伴う導入機器の設置場所を図4に,機能強化後の通信の概要を図5に,それぞれ示す。
図4 機能強化に伴う導入機器の設置場所 拡大
図4 機能強化に伴う導入機器の設置場所
図5 機能強化後の通信の概要 拡大
図5 機能強化後の通信の概要
図5中の通信の概要は,次のとおりである。 ・①は,現在の通信であり,通信プロトコルにはHTTPを用いている。同様に,新たに追加される②〜④,④',④”もHTTPを用いる。 ・②は,保守員が新業務サーバにある,設備の稼働情報を参照するときの通信である。 ・③は,保守員が設備を操作するときの通信である。その際,保守員は最新の稼働情報を参照するので,④”の通信も発生する。 ・④は,新業務サーバが設備の稼働情報を自動的に取得するときの通信である。収集周期は,サービス開始時は1時間とし,段階的に5分間程度に短縮しサービス品質を向上させる。また,設備はいつも通電されているとは限らないので,それを考慮した仕組み(以下,稼働情報取得案という)を用意する。 ・②の通信では,アクセスの際,新業務サーバ上の稼働情報を次の形式で指定する。 http://(新業務サーバのFQDN)/(稼働情報ファイル名) ・③,④,④',④”の通信では,アクセスの際,設備の中の稼働情報又は操作対象の機能(以下,リソースという)を,次の形式で指定する。 http://(設備を指定するためのFQDN)/(リソース名) 情報システム部では,図5中の④,④',④”の通信に関して,通信アダプタと中継装置のHTTPキャッシュ機能を使った次のような稼働情報取得案を構想している。 ・中継装置と通信アダプタは,HTTPレスポンスに含まれる設備の稼働情報を,自装置にキャッシュする。 ・中継装置と通信アダプタは,稼働情報に関するGETリクエストを中継する際に,自装置がキャッシュしている最新の稼働情報よりも新しい稼働情報を取得するように,HTTPヘッダ[If-Modified-Since:x]を付加する(xは時刻)。そして,新しい稼働情報が得られない場合には,自装置がキャッシュしている最新の稼働情報を利用する。 ・④の通信では,2台の新業務サーバに実装されたHTTPクライアントが,定期的に配下の設備にGETリクエストをそれぞれ送信し,稼働情報を取得する。(a)稼働情報取得のトリガは,設備ではなくK社データセンタ側にあるが,それは運用上の利点となっている。各新業務サーバが取得した稼働情報は,データベースの機能を用いて新業務サーバ間で同期する。 ・④'の通信では,通信アダプタは単独で,HTTPヘッダ[If-Modified-Since:x]を付加したGETリクエストを設備へ1分間隔で送信し,取得した稼働情報を自装置にキャッシュする。 この稼働情報取得案に従うと, [ う ] はフォワードプロキシ, [ え ] は [ お ] プロキシとして動作しているとみなすことができる。 稼働情報取得案の通信シーケンス例を,図6に示す。
図6 稼働情報取得案の通信シーケンス例 拡大
図6 稼働情報取得案の通信シーケンス例
図6中の時刻(T,Ta〜Tf,T',Tb')のうち,Ta,Tdはリクエストの開始時刻,Tb,Tb',Te,Tfはキャッシュされている最新稼働情報のタイムスタンプの時刻である。また,時刻の前後関係は次のとおりである。 Tb ≦ Tb' < Tc Te < Tf ここで,x < yは,xがyに先行することを示す。 K社情報システム部のM君は,保守システムのネットワーク基盤を担当している。上司のN氏から指示を受けたM君は,保守システムの機能強化プロジェクトに先立ち,そこで必要となるネットワーク基盤の拡張について調査を進めてきた。 M君は,図4〜6を使って,その調査結果をN氏に説明した。次はそのときの会話である。 N氏:図4〜6の内容は分かった。保守システムの機能強化プロジェクトで具体的な検討を行うことにしよう。ただ,その前に二つ確認したいことがある。 M君:どのようなことでしょうか。 N氏:今,保守システムの機能強化と並行して,次世代設備の企画も進められている。次世代設備では,通信インタフェースとして,低電力でも稼働できるZigBeeを採用する。さらに,HTTP以外の通信プロトコルも実装できる。一方,サービスの拡充に伴い,通信トラフィックは増加していくだろう。そこで,次世代設備向けにもっと効率が良い通信方式がないか調査して報告してほしい。図4〜6の案が,その新しい通信方式にも拡張可能かどうかも,事前に確認しておきたい。 M君:分かりました。調べてみます。 N氏:もう一つは,LAN構成とネットワーク負荷に関する確認だ。今回,初めてブレードサーバを導入する予定だが,LAN構成をどのように変えるのかを確認してほしい。それから,稼働情報収集では大量の通信が発生するはずだ。現行のネットワーク機器への影響が懸念される。その調査もお願いする。 M君:分かりました。それらについても確認します。 〔次世代設備に関する通信方式〕 M君は早速,新しい通信方式について調査し,RFC 7252によって標準化が進められている通信プロトコルであるCoAP(Constrained Application Protocol)がHTTPの代わりに利用できそうだと考えた。M君がCoAPについて調査した結果を次に示す。 ・CoAPは,UDP上で動作可能な,HTTPに似た通信プロトコルである。 ・HTTPリクエストをCoAPリクエストに変換したり,CoAPレスポンスをHTTPレスポンスに変換したりすることもできる。 ・CoAPのメッセージ形式を図7に示す。
図7 CoAPのメッセージ形式 拡大
図7 CoAPのメッセージ形式
・CoAPのメッセージは,4バイトのヘッダと可変長のToken,Options,Payloadから構成されている。1バイトのCodeを使い,リクエストの種別やレスポンスの状態コードを指定する。ZigBeeに用いられるIEEE 802.15.4フレームのデータ部は,IEEE 802.3(Ethernet)フレームのデータ部よりもかなり短く,CoAPのメッセージ形式は,それに適したものになっている。 以上の調査から,M君は,(b)TCP上のHTTPをUDP上のCoAPに置き換えることによって,通信アダプタと中継装置を用いた通信のTAT(Turn Around Time)を向上させることができると判断した。また,その際FWの設定を変更しなくてもよいように,HTTPとCoAPの変換機能は,図5中の [ か ] に実装することにした。 M君は,調査結果を基に,現在の設備に関する通信方式が次世代設備に関しても拡張可能であることをN氏に説明した。 〔LANの構成とネットワーク負荷〕 情報システム部では,新機能の開発に先立ち,次のような方針を立てている。 ・2台のブレードを内蔵したブレードサーバをK社データセンタに導入する。 ・2台の新業務サーバと2台の中継装置を,ブレード上の仮想サーバに実装する。 ・中継装置はActive-Standby方式で冗長化させる。 ・図5中の②の通信はLBを経由させ,2台の新業務サーバに負荷分散させる。 M君は,新機能開発の方針を基に,NIC(Network Interface Card)を含む,ブレードサーバに関するLAN構成について,次のような確認・検討を行った。 ・ブレードサーバ内のLAN構成を,図8に示す。
図8 ブレードサーバ内のLAN構成 拡大
図8 ブレードサーバ内のLAN構成
・仮想サーバの二つの仮想NICは,ブレードの二つの物理NICにそれぞれ接続され,仮想サーバのチーミング機能によって冗長化されている。 ・ブレードの二つの物理NICは,ブレードサーバの二つの内部L2SWにそれぞれ接続され,ブレードのチーミング機能によって冗長化されている。 ・LB利用の有無を考慮し,新業務サーバと中継装置は別のVLANに収容する。 ・新業務サーバのデフォルトゲートウェイには [ き ] を,中継装置のデフォルトゲートウェイにはFWを,それぞれ定義する。 ・(c)図8中の二つの内部L2SWに,図2中の2組のL2SWを接続する。 図5中の④の通信では,大量のHTTPリクエストとHTTPレスポンスの対(以下,トランザクションという)が発生し,現行ネットワークの通信帯域に影響を与える可能性がある。また,FWは,TCPコネクションの確立開始から切断完了までの状態(以下,コネクションという)を管理するので,④の通信の同時コネクション数はFWの性能に影響を与える可能性がある。そこで,M君は,これらの通信負荷を見積もることにした。図5中の④の通信に関する見積りの前提を,表1に示す。
表1 図5中の④の通信に関する見積りの前提 拡大
表1 図5中の④の通信に関する見積りの前提
表1を前提にした見積り結果は次のとおりである。 ・④の通信の起動タイミングは平準化されていると仮定すると,新サービス開始時には,表1中の項番1,6から,毎秒 ア トランザクションが発生する。 ・1トランザクションは1コネクションで処理されると仮定すると,各コネクションの保持時間は,項番3〜5から,平均(2.4+0.2×Tout)秒と推定できる。 ・したがって,2台の新業務サーバの④の通信に関する同時コネクション数の合計は,平均( イ + ウ × Tout)コネクションと推定できる。この値は,将来,収集周期が5分間になると,12倍に増加する。 ・各コネクションにおける通信データ量は,稼働情報が数バイトに過ぎない(図5)ことから,オーバヘッドを考慮しても,図2中の現行ネットワーク機器や閉域網サービスに与える影響は限定的である。 このような検討の結果から,M君は,通信帯域については当面懸念しなくてもよいと判断した。しかし,同時コネクション数は,FWの性能に大きく影響すると考え,負荷の予測とFWの増強について提言をまとめた。提言には,同時コネクション数を軽減するために,HTTP/1.1の実装に関する次の三つの提案を含めた。 ・TCPコネクション保持時間の短縮案1:(d)中継装置のToutの設定方針 ・TCPコネクション保持時間の短縮案2:(e)新業務サーバからのリクエストにおけるクローズ接続オプションの使い方 ・同時コネクション数の削減案:トランザクションをパイプライン化する工夫と,その前提となる,(f)設備のリソースを指定する際のURLに関する設計方針 M君は,以上の検討結果をまとめ,N氏に報告した。 その後,保守システムの機能強化プロジェクトが開始されることになり,M君はネットワークグループのリーダに任命された。

設問一覧 & 解答・演習

まずは解答を作成してみましょう。「解答例を見る」をクリックするとIPA公式解答例と採点基準が開きます。

設問1 (1)記号・選択式
本文中の [ あ ] に入れる適切な字句を答えよ。
※直接入力してください
設問1 (2)記号・選択式
図3中の [ い ] に入れる適切な機器名を答えよ。
※直接入力してください
設問1 (3)記号・選択式
図3中の①〜⑧のIPパケットのうち,送信元IPアドレスが②と同じになるIPパケットの番号を全て答えよ。
※直接入力してください
設問1 (4)記号・選択式
図3中の①〜⑧のIPパケットのうち,宛先IPアドレスが②と同じになるIPパケットの番号を全て答えよ。
※直接入力してください
設問2 (1)記号・選択式
本文中の [ う ] 〜 [ お ] に入れる適切な字句を答えよ。
※直接入力してください
設問2 (2)記述問題
制限字数:25 字以内
本文中の下線(a)の利点を,25字以内で述べよ。
0 / 25 文字
設問2 (3)記号・選択式
図6中の例Ⅱのシーケンスによって,通信アダプタのキャッシュが更新される。更新後の最新稼働情報のタイムスタンプの時刻を答えよ。
※直接入力してください
設問2 (4)記述問題
制限字数:35 字以内
図6中の例ⅡのGETリクエストの中継において,TbとTb'は異なる場合が多いが,それはなぜか。キャッシュに着目して,35字以内で述べよ。
0 / 35 文字
設問2 (5)記述問題
制限字数:30 字以内
図6中の例Ⅲの通信シーケンスになるのは,どのような場合が考えられるか。通信アダプタと設備の間での通信に着目して二つ挙げ,それぞれ30字以内で述べよ。
0 / 30 文字
設問2 (6)記述問題
制限字数:40 字以内
図6中の例Ⅰの周期を長くした場合(例えば1分間隔から2分間隔へ変更),HTTPクライアントが受け取る応答への影響を40字以内で述べよ。
0 / 40 文字
設問3 (1)記号・選択式
本文中の [ か ] に入れる適切な機器名を答えよ。
※直接入力してください
設問3 (2)記述問題
制限字数:20 字以内
図7のCoAPメッセージ以外に,IEEE 802.15.4フレームのデータ部に含まれるデータを,20字以内で答えよ。
0 / 20 文字
設問3 (3)記述問題
制限字数:30 字以内
本文中の下線(b)について,TATの向上に寄与する,CoAPとUDPの特長を二つ挙げ,それぞれ30字以内で述べよ。
0 / 30 文字
設問4 (1)記号・選択式
本文中の [ き ] に入れる適切な機器名を答えよ。
※直接入力してください
設問4 (2)記述問題
本文中の下線(c)について,内部L2SWとL2SWとの接続を,図9に示す。内部L2SWとL2SWとの接続を追記し,図9を完成させよ。
0 文字
設問4 (3)記号・選択式
本文中の ア 〜 ウ に入れる適切な数値を答えよ。
※直接入力してください
設問4 (4)記述問題
制限字数:30 字以内
本文中の下線(d)の設定方針を,30字以内で述べよ。
0 / 30 文字
設問4 (5)記述問題
制限字数:30 字以内
本文中の下線(e)の使い方を,30字以内で述べよ。
0 / 30 文字
設問4 (6)記述問題
制限字数:50 字以内
本文中の下線(f)の設計方針を,50字以内で述べよ。
0 / 50 文字
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💡 推薦ポイント:午後I・午後IIの長文ネットワーク構成事例でどこに着目してパケットの流れや設定不備を読み解くか、実践的な解法プロセスを身につけられます。
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【出題趣旨】IPA公式発表
M2M(Machine to Machine)に関する,情報技術やシステム基盤が整備されつつあり,それらを活用した新しい情報システムの開発が進められている。M2M には,センサ,制御機器,設備などの多様な機械(Machine)に関して,それらの性能や収容方法を考慮し,情報収集や制御などのユースケースを踏まえた,ネットワーク構築が必要となる。 本問では,リモート保守用の情報システム開発の初期検討を題材にしている。現行のTCP/IP ネットワークの拡張について,ネットワーク担当の視点から検討する。具体的には,利用形態から追加される通信を導き,その実現方法と,現行ネットワークへの影響を考察する。固有の知識を前提とはせずに,TCP/IP やHTTP に関する基本知識だけで推論できるよう記述を工夫し,ネットワーク基盤の拡張要件に関する,受験者の応用能力を問う。
【採点講評】IPA公式発表
問1 は,多数の設備を収容する情報システムを題材に,ネットワーク基盤の拡張に関する受験者の応用能力を求めている。近年注目を浴びているM2M(Machine to Machine)ネットワークを意識しながら,固有の知識を前提とはせずに,TCP/IP やHTTP に関する基本知識だけで解答できるような記述とした。 設問1〜4 に正答率の大きな偏りはなく,全体の内容はよく理解されていた。その中で,TCP/IP の基本に関する設問1(1)と設問3(2)と,HTTP に関する設問4(5),(6)の正答率が比較的低かった。これらは,特別な知識は不要だが,複数の要素を理解し,正答を推論する問題である。日頃の勉強や実務でも,ネットワーク技術者として,複雑な状況から本質を見極め,課題を解決するという行動パターンを心掛けてほしい。 設問1 は,サーバネットワークに関する理解を問うている。ヘッダ内のアドレスの変化など,基本事項に関する設問だが,誤答が少なからず見受けられた。この種の問題は落ち着いて取り組み着実に答えるようにしてほしい。 設問2 は,提案された稼働情報収集の通信方式への理解を問うている。HTTP/1.1 の基本知識を前提としたが,多くは提示した通信シーケンス例などから直接読み解く必要があることから,(2),(5),(6)は,受験者の経験によって差が出た設問だったようである。 設問3 ではCoAP(Constrained Application Protocol)という比較的新しい通信プロトコルを取り上げた。固有の知識は求めず,通信プロトコルの基本知識だけでも十分解ける問題とした。基本技術の正しい理解や,従来技術から新技術を理解・評価する能力は,実務でも大切である。 設問4 は,“(1),(2)仮想サーバを含むネットワーク”と,“(3)〜(6)HTTP におけるTCP コネクション(いわゆるセッション維持)”に関する設問である。どちらも過去に出題したテーマであるが,それらを通じて今回の題材への総合理解を問うた。限られた時間でもよく書けていた解答が多い一方で,“(5)クローズ接続オプショの使い方”や“(6)URL に関する設計指針”については理解不足の解答もやや目立った。本設問では,通常の“TCP コネクション維持によるWeb アクセスの応答時間改善”ではなく,“TCP コネクション解放によるファイアウォールの論理資源節約”という,いわば逆の要件になっていることに注意してほしい。
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