IT戦略・ITガバナンス・投資評価 重要度:★★出題: AM2・PM1
回収期間法(ペイバック法)
かいしゅうきかんほう / Payback Period Method
投資した金額を回収するのに要する年数を計算し、目標回収年数以内であるかで採否を決める簡便な評価法。
3行速習ポイント
- 計算式:回収期間 = 初期投資額 ÷ 年間平均キャッシュインフロー。
- お金の時間価値や回収後のキャッシュフローが無視される欠点があるが、資金流動性リスクの把握に強い。
- 実務では「3年以内に回収できるか」といったスピーディな一次スクリーニング基準として多用される。
図解
図回収期間法のタイムライン概念プロセス・手順フロー
投資額の累計回収ポイント(損益分岐点)の特定▶ 進行順序:1. 投資➔2. 回収中➔3. 回収中➔4. 回収完了
1Year 0: 投資実行
投資-3,000万円支出
初期投資として3,000万円(システム構築・移行費用)を支出。この時点での未回収投資残高はマイナス3,000万円からスタートする。
2Year 1: +1,000万円
回収中未回収残: 2,000万円
稼働1年目の業務効率化・コスト削減により年間1,000万円の純キャッシュインを創出。未回収の投資残高は2,000万円に減少する。
3Year 2: +1,000万円
回収中未回収残: 1,000万円
稼働2年目も年間1,000万円のキャッシュインを継続創出。累計回収額が2,000万円に達し、未回収の投資残高は残り1,000万円となる。
4Year 3: 回収達成!
回収完了回収期間: ちょうど3年
稼働3年目で累計回収額が初期投資額3,000万円に到達して投資回収を完了(回収期間3.0年)。4年目以降のキャッシュインは純利益となる。
💡 午前II計算問題で頻出。午後I・午後IIでは単体利用の欠点(回収後の利益や時間価値の無視)を補うため、NPV法やROIと併用して投資上申を行う。
概要と本質
回収期間法は、最も古くから使われている投資評価手法です。計算がシンプルで「何年で元が取れるか」が分かりやすいため、経営陣への説明が容易です。しかし、回収完了以降に莫大な利益を生む案件であっても回収に4年かかるなら却下されてしまうなど、長期的な富の最大化には適さない側面があります。
重要ポイント・コア概念
- 計算の簡便性:電卓で即座に算出可能、現場部門の理解が得られやすい
- 流動性重視:早期に投資資金を回収したいベンチャーや資金制約の厳しい企業に向く
- 理論的欠陥:割引計算を行わない(時間価値の無視)、回収後の利益を無視
- 割引回収期間法:時間価値を考慮して割引後キャッシュフローで回収年数を計算する改良版
試験対策・午後II論文での活用法
午前II計算問題で「回収期間を求めよ」「どの案が最も回収が早いか」が頻出。午後Iでは、回収期間法だけでなくNPVやROIと併用して多面的に投資判断を行ったプロセスを回答させる出題がある。
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