ネットワーク・通信セキュリティ 重要度:★★出題: AM2・PM1
BGPハイジャック対策 と RPKI / ROA
びーじーぴーはいじゃっく / あーるぴーけーあい / Border Gateway Protocol Security / Resource Public Key Infrastructure (ROA)
インターネット上のAS(自律システム)間で経路情報を交換するBGPにおいて、不正な経路広告による通信乗っ取りを電子証明書(ROA)で検証・排除する仕組み。
3行速習ポイント
- BGPは本来相手の経路広告を無条件に信頼する設計のため、設定ミスや悪意あるASによる「BGPハイジャック(経路乗っ取り)」が発生し得る
- RPKI(リソースPKI)では、IPアドレスブロックの正当な保有者が「自ネットワークのプレフィックスと広告元AS番号の対応」に電子署名したROAを登録
- 各事業者のBGPルータはROAを照合(Route Origin Validation:ROV)し、不正なASからの経路広告(Invalid)を破棄する
図解
図RPKI / ROA による BGP 経路ハイジャック防止の仕組み
11. ROA(経路認可情報)の署名・登録
正当性の宣言IPプレフィックス × 最大長 × 正規Origin AS番号の組
IPアドレス保有者が「自ネットワークのアドレス範囲をどのAS番号から広告するか」の対応情報(ROA)にRPKI電子署名を付与して公開レジストリへ登録
22. BGP UPDATE(経路広告)の受信
経路情報の伝播隣接ASから経路情報(プレフィックスとAS_PATH)を受信
インターネット上の各ASのBGPルータが、他のASから発信されたIPプレフィックスの経路広告を受信
33. ROV(経路オリジン検証)の実行
ハイジャック遮断ROAキャッシュと照合し Valid / Invalid を判定
BGPルータがRPKIキャッシュサーバのROAデータと照合し、未認可のAS番号からの広告や最大プレフィックス長違反を Invalid と判定して破棄
💡 BGPはロンゲストマッチ(より長いプレフィックス長優先)で経路選択するため、ROAのMaxLength指定とROV検証で詳細経路の偽広告を破棄する
概要と本質
攻撃者が他社のIPアドレス空間(より詳細なサブネットマスク:ロンゲストマッチを悪用)を自ASから広告すると、世界中のトラフィックが攻撃者のASへ吸い寄せられ、通信傍受や偽サイト誘導が可能になります。RPKI/ROAおよびBGPsecはこの経路広告の真正性を暗号技術で保証します。
重要ポイント・コア概念
- ロンゲストマッチの悪用:BGPルータはプレフィックス長が長い(より詳細な)経路を優先するため、/24などの詳細経路を偽広告されると全域に波及しやすい
- ROA(Route Origin Authorization):IPアドレスプリフィックス、最大プレフィックス長(MaxLength)、正当なOrigin AS番号の組に署名したデータ
- BGPsec:Origin ASだけでなく、途中のASパス(AS_PATH属性)全体の改ざんも電子署名連鎖で防止する拡張仕様
午後記述・情報セキュリティ対策での攻略ポイント
午前IIで「ROAに登録される情報の組(AS番号とIPアドレスプリフィックス)」や「RPKIの目的」が頻出です。
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