エンタープライズアーキテクチャ・システム企画 重要度:★★★出題: AM2・PM1・PM2
ストラングラーパターン
すとらんぐらーぱたーん / Strangler Fig Pattern
絞め殺しの木(Strangler Fig)が宿主を覆うように、レガシーシステムの外側に新機能を段階的に構築して最終的に置き換える移行手法。
3行速習ポイント
- マーティン・ファウラーが提唱した、大規模システムの「ビッグバン移行」の壊滅的リスクを避ける設計パターン。
- Facade(ファサード)やAPI Gatewayを前面に置き、リクエストを新旧システムへ段階的に振り替える。
- 新機能のリリースと投資効果を早期に実感しながら、古いコードを少しずつ安全に消却できる。
図解
図ストラングラーパターンの段階的移行フロープロセス・手順フロー
旧システムを壊さずに新システムへ徐々に通信を切り替え▶ 進行順序:1. 準備➔2. 部分稼働➔3. 拡大➔4. 移行完了
1Phase 1: ファサード配置
準備前面にAPI Gateway設置
レガシーシステムの前面にルーティングを制御するAPI Gateway(ファサード)を配置する。初期段階では全リクエストをそのまま旧システムへ透過転送し業務を止めない。
2Phase 2: 特定機能の切り出し
部分稼働新サービスが一部肩代わり
変更頻度が高い機能やボトルネック機能(例:商品検索や新規キャンペーン画面)を新クラウド上のマイクロサービスとして構築し、該当URLのみ新環境へ振り分ける。
3Phase 3: 段階的浸食
拡大新機能B・Cの順次移行
受注・決済・在庫連携などの重要機能を順次マイクロサービスへ切り出してAPI Gatewayの転送先を切り替え、旧レガシーが担う領域を段階的に縮小(浸食)させる。
4Phase 4: 旧システムの停止
移行完了レガシー完全消却
すべての業務機能とデータの移行が完了し安定稼働を確認した段階で、空洞化した旧メインフレーム・レガシーサーバーを安全に停止・完全廃棄して刷新を完遂する。
💡 午後IIの基幹刷新では一括ビッグバン移行のリスクを回避するため、前面にAPI Gatewayを置いて周辺機能から段階的に新環境へ切り替える無停止移行を論述する。
概要と本質
大規模な基幹システム刷新において、数年かけて一括で作り直してある日突然切り替える「ビッグバン移行」は、要件の陳腐化や稼働初日の大混乱を招きやすく非常に高リスクです。ストラングラーパターンは、前面にルーティング層(API Gateway)を設け、切り出せた機能から順に新マイクロサービスへ誘導し、旧システムの機能を徐々に枯死させていく最も安全なアプローチです。
重要ポイント・コア概念
- 変換(Transform):新しいマイクロサービスをクラウド上に開発
- 共存(Coexist):新旧システムが同時に稼働し、API GatewayがURLやリクエスト内容に応じて通信を振り分け
- 消却(Eliminate):すべての機能の移行が完了した時点で、空っぽになった旧レガシーシステムを完全に停止・破棄
- 即効性の効果:全機能の完成を待たずに、移行が済んだ機能から即座にビジネス価値を享受可能
試験対策・午後II論文での活用法
午後II論文でモダナイゼーションを論述する際の秘密兵器。『一括移行は業務停止リスクが許容できないため、ストラングラーパターンを採用。API Gatewayを導入してまず参照系サービスから新クラウドへ逃がし、次に更新系を段階移行することで、業務無停止での基幹刷新を完遂した』と書けば技術力・統率力ともにA判定確実。
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