セキュリティ・法務・リスクマネジメント 重要度:★★出題: AM2・PM1
デジタルフォレンジクス
でじたるふぉれんじくす / Digital Forensics
サイバー攻撃や不正アクセス、機密持ち出しが発生した際に、電子的記録(ログ・メモリ・ディスク)を証拠保全・解析・究明する技術。
3行速習ポイント
- 法的証拠性を担保するため、データの改ざんが起きていないことを証明する「証拠保全(ライトブロッカー、ハッシュ値計算)」が第一歩。
- 揮発性データ(メモリ、ネットワーク接続状態)から順に保全する「揮発性の順序」を守る。
- インシデントの侵入経路、被害範囲、影響を受けた個人データを特定し、公的機関への報告や訴訟に備える。
図解
図デジタルフォレンジクスの4大調査手順プロセス・手順フロー
証拠保全から原因究明・報告への厳格なフロー▶ 進行順序:1. Step 1➔2. Step 2➔3. Step 3➔4. Step 4
11. 証拠の保全 (Collection)
Step 1改ざん防止・完全複製
インシデント検知時、揮発性の高いメモリ領域から順にデータを保全し、ライトブロッカー(書込防止装置)を用いてディスクを完全複製してハッシュ値で同一性を証明する。
22. 証拠の検査 (Examination)
Step 2データの抽出・復元
保全した複製イメージから、攻撃者が隠蔽・削除したイベントログ、一時ファイル、レジストリ変更履歴、マルウェアの実行痕跡や通信履歴を専門ツールで抽出・復元する。
33. 原因の分析 (Analysis)
Step 3タイムライン再構成
複数サーバー・端末・ファイアウォールのログを時刻同期(NTP)ベースで横断結合し、初期侵入経路から権限昇格・横展開・情報窃取までの攻撃タイムラインを解明する。
44. 報告書の作成 (Reporting)
Step 4法的主張・公的報告
特定した侵入原因・漏えい範囲・影響有無を客観的証拠(保管連続性記録付き)とともに報告書へまとめ、経営陣への報告や監督官庁届出・再発防止策の根拠とする。
💡 午前IIでは揮発性の順序(メモリ優先保全)とライトブロッカーが頻出。午後I記述ではインシデント初動で電源を切らずにネットワーク遮断・証拠保全する手順を答える。
概要と本質
サイバー攻撃を受けた際、慌ててサーバーの電源を切ったりOSを再起動すると、メモリ上に残っていた攻撃者の痕跡やマルウェアのコードが消滅してしまいます。デジタルフォレンジクスは、証拠の完全性を保ったままディスクのビット単位コピー(フォレンジック・イメージ)を作成し、隠蔽されたログや削除されたファイルを復元・解析します。
重要ポイント・コア概念
- 証拠の保全:ライトブロッカー(書込防止装置)を用いて複製し、ハッシュ値(SHA-256等)で同一性を証明
- 揮発性の順序(Order of Volatility):メモリ・レジスタ ➔ キャッシュ ➔ ディスク ➔ リモートログの順に消去されやすいため順次保全
- チェーン・オブ・カスターディ(保管連続性):証拠品を誰がいつどこで扱ったかの受領・保管記録を厳格管理
- タイムライン分析:ログのタイムスタンプを横断結合し、攻撃者の侵入から侵害拡大までの行動履歴を時系列復元
試験対策・午後II論文での活用法
午前IIで「揮発性の順序(メモリがハードディスクより先)」「ライトブロッカーの役割」「ハッシュ値による同一性証明」が出題される。午後I記述では、インシデント発生時の初動対応として「電源を切るのではなく、ネットワークケーブルを抜いて証拠保全を行う」手順が問われる。
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