コアコンピタンス
3行速習ポイント
- プラハラードとハメルが提唱した、長年の組織学習や暗黙知により培われた企業独自の強み。
- 「顧客価値への貢献」「模倣困難性」「複数市場への展開性」の3条件を満たす能力を指す。
- ITストラテジストは、コアコンピタンスをITでデジタル化・強化し、差別化の持続性を盤石にする。
図解
概要と本質
コアコンピタンス(Core Competence)は、G.プラハラードとG.ハメルが提唱した、長年の組織学習や暗黙知により培われた企業独自の強みであり、持続的競争優位の源泉です。成立要件として①「顧客への独自の価値提供(Customer Value)」②「競合による模倣困難性(Inimitability)」③「多様な市場・新製品への展開性(Extensibility)」の3条件をすべて満たす能力を指します。 【代表的な日本企業の具体例】 ・ホンダ(本田技研工業):高効率・小型エンジン技術。二輪車から始まり、四輪車、発電機、除雪機・芝刈機、小型航空機(ホンダジェット)へと多市場へ応用展開。 ・キヤノン:精密光学・微細加工・電子写真技術。カメラ開発で培ったコア技術を複写機、レーザープリンター、半導体露光装置(ステッパー)へと展開。 ・トヨタ自動車:トヨタ生産方式(TPS / かんばん方式・ジャストインタイム)。徹底したムダ排除とカイゼン文化という組織学習・暗黙知に基づく高効率生産システム。 IT戦略においては、汎用パッケージの導入にとどまらず、自社独自のコアコンピタンスを支える領域(差別化領域・SoE)に戦略的IT投資を集中させることが求められます。
重要ポイント・コア概念
- コアコンピタンス3条件①【顧客への独自の価値提供】:顧客が認める決定的な価値(利便性・安全性・品質)をもたらすこと
- コアコンピタンス3条件②【競合他社の模倣困難性】:特許や複合的な暗黙知・組織文化等により容易に真似やコピーができないこと
- コアコンピタンス3条件③【多様な市場への展開性】:単一の製品に留まらず、幅広い新規市場や関連事業へ応用展開できること
- 代表的企業事例:ホンダ(小型エンジン技術)、キヤノン(精密光学・電子写真技術)、トヨタ(高効率な生産管理システム・TPS)
- IT戦略上の要点:非コア領域はクラウドSaaSやBPOで標準化し、コア領域に経営資源・IT予算を集中配分する。
試験対策・午後II論文での活用法
午前IIでは「高効率な生産システム」のように模倣困難な内部強みを選ぶ問題(H28問8等)が頻出。午後II論文で『自社の強み』を論じる際、単に「営業力が強い」「真面目な社員が多い」と書くのは稚拙。顧客から見た独自の価値、他社が真似できない組織的ノウハウ、多市場展開力をコアコンピタンスとして明確に定義し、それをITでどうスケールさせたかを論理的に述べること。
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