セキュリティアーキテクチャ・設計 重要度:★★出題: AM2・PM1
脅威モデリング (STRIDE / データフロー図) と 攻撃ツリー
きょういもでりんぐ / すとらいど / Threat Modeling (STRIDE / DFD / Attack Trees)
システムの設計段階でデータフロー図(DFD)と信頼境界(Trust Boundary)を描き、6つの脅威分類(STRIDE)を用いてアーキテクチャ上のセキュリティリスクを体系的に洗い出す手法。
3行速習ポイント
- STRIDEの6分類:Spoofing(なりすまし)、Tampering(改ざん)、Repudiation(否認)、Information Disclosure(情報漏洩)、Denial of Service(サービス拒否)、Elevation of Privilege(特権昇格)
- データフロー図(DFD)上で「外部エンティティ・プロセス・データストア・データフロー」を整理し、信頼レベルが変わる境界線(信頼境界:Trust Boundary)をまたぐ通信を重点的に分析
- アタックツリー(Attack Tree):攻撃者の最終目標(ルートノード)を頂点とし、それを達成するためのサブ目標・条件(AND/ORノード)をツリー状に分解して対策の優先順位を決定する手法
図解
図脅威モデリング:データフロー図 (DFD) の信頼境界と STRIDE 6分類
真正性・完全性
S (Spoofing) & T (Tampering)
なりすまし(対策:認証)と データ改ざん(対策:署名・MAC・完全性)
通信相手や利用者の偽装(Spoofing)を多要素認証やmTLSで防ぎ、通信中・保存中データの不正書き換え(Tampering)をデジタル署名やHMAC・AEADで検知
否認防止・機密性
R (Repudiation) & I (Information Disclosure)
否認(対策:監査ログ・電子署名)と 情報漏洩(対策:暗号化・アクセス制御)
事後の「やっていない」という否認(Repudiation)を改ざん不能な監査証跡で防ぎ、機密情報の露出(Information Disclosure)を暗号化と最小権限で阻止
可用性・認可統制
D (Denial of Service) & E (Elevation of Privilege)
サービス拒否(対策:冗長化・レート制限)と 特権昇格(対策:認可検証)
リソース枯渇による停止(DoS)をCDN/レート制限で緩和し、一般ユーザから管理者への不正昇格(Elevation of Privilege)を機能・データ単位の認可チェックで阻止
💡 信頼度や権限レベルが変わる境界線「信頼境界(Trust Boundary)」をまたぐデータフローに対して、STRIDEの6観点で抜け漏れなく認証・認可・検証を設計する
概要と本質
セキュリティ・バイ・デザインを実践する上で、設計書を前に「どこにどんな脅威が潜んでいるか」を網羅的に見つけるための構造化アプローチが脅威モデリングです。STRIDEの各脅威は、そのままセキュリティ特性(真正性・完全性・否認防止・機密性・可用性・認可)の裏返しとなっています。
重要ポイント・コア概念
- STRIDEと対策の対応:Spoofing➔認証、Tampering➔完全性検証(署名・MAC)、Repudiation➔監査ログ・デジタル署名、Information Disclosure➔暗号化、DoS➔冗長化・レート制限、Elevation of Privilege➔最小権限認可・入力検証
- 信頼境界(Trust Boundary):インターネットとDMZ、DMZと内部LAN、一般ユーザプロセスと特権プロセスなど、信頼度や権限が異なる領域の境界であり、必ずここで認証・認可・入力値検証を行う
- DREAD / CVSSによる優先度付け:洗い出した脅威に対して損害の大きさや再現性・悪用容易性を評価し、対策コストと見合うセキュリティ設計を決定
午後記述・情報セキュリティ対策での攻略ポイント
午前IIでSTRIDEやアタックツリーの定義が出題されるほか、午後記述で「システム構成図のどこに信頼境界があり、どの脅威(なりすまし・改ざん・漏洩・特権昇格)に対する対策が抜けているか」を見抜く思考フレームワークそのものになります。
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