エンタープライズアーキテクチャ・システム企画 重要度:★★★出題: AM2・PM1・PM2
非機能要件グレード
ひきのうようけんぐれーど / Non-Functional Requirements Grade (IPA)
IPAが策定した、可用性・性能・運用保守性・移行性・セキュリティ等の非機能要件を客観的に合意するための標準ツール。
3行速習ポイント
- 6つの大項目(可用性、性能・拡張性、運用保守性、移行性、セキュリティ、システム環境)から構成される。
- 「24時間365日止めないで」といった過剰要求(コスト肥大化)を防ぎ、システムの重要度に応じた適正水準を合意する。
- 午後I記述・午後II論文において、非機能要件の検討漏れを防ぐ鉄板フレームワーク。
図解
図非機能要件グレードの6大項目(IPA)構成要素・基本原則
システムの信頼性と品質を担保する6本柱🏛 非機能要件グレードの6大項目(IPA)(中核を構成する 6 つの柱)
稼働率・復旧
1. 可用性
稼働率・RTO/RPO
システムの継続稼働率(例:99.9%)、障害発生時の冗長化自動切替(フェイルオーバー)、災害時の目標復旧時間(RTO)と目標復旧時点(RPO)を定義する。
応答・拡張性
2. 性能・拡張性
レスポンス・スループット
通常時および繁忙期ピーク時のオンライン画面応答時間(例:2秒以内)、バッチ処理完了時間、将来のデータ量・利用者急増に対するスケールアウト耐性を定義する。
監視・保守
3. 運用・保守性
バックアップ・監視
24時間365日の死活・リソース監視体制、定常バックアップの取得世代とリストア手順、OS・ミドルウェアの計画停止およびパッチ適用運用ルールを定義する。
移行計画
4. 移行性
データ移行・並行稼働
旧システムから新システムへの移行スケジュール、マスターデータ名寄せ・クレンジング手順、並行稼働期間、切り戻し基準と移行リハーサル計画を定義する。
認証・暗号化
5. セキュリティ
暗号化・アクセス制御
ID管理・多要素認証によるアクセス制御、通信・保存データの暗号化、特権ID操作ログの監査記録、定期的な脆弱性診断とマルウェア対策基準を定義する。
耐震・省電力
6. 環境・エコロジー
設置場所・耐震・省電力
データセンターの立地リスク(地震・水害ハザード)、ファシリティの耐震・無停電電源(UPS)基準、およびクラウド・サーバー機器の省電力・環境適合性を定義する。
💡 午後I・午後IIでは機能仕様だけでなく、IPA非機能要件グレードを用いて目標稼働率・RTO/RPO・応答性能を業務部門と事前合意し、過剰投資と障害トラブルを防ぐ。
概要と本質
「画面が動くか」「計算が合うか」といった機能要件に比べ、非機能要件は目に見えにくく、後から「レスポンスが遅い」「夜間バッチが終わらない」「バックアップから復旧できない」といった重大インシデントに発展しがちです。非機能要件グレードは、システムの社会的重要度(モデルシステム)に応じてグレード1〜5を選択し、約240の評価項目をチェックシート形式で漏れなく合意します。
重要ポイント・コア概念
- 可用性(Availability):目標稼働率、年間ダウン許容時間、目標復旧時間(RTO)、目標復旧時点(RPO)
- 性能・拡張性(Performance):ピーク時トラフィック、画面応答速度(2秒以内等)、将来データ増加耐性
- 運用・保守性(Operability):バックアップ運用、監視体制、パッチ適用方針、計画停止スケジュール
- セキュリティ(Security):アクセス制御、通信・保存時暗号化、ログ監査、脆弱性診断基準
試験対策・午後II論文での活用法
午後I記述で「可用性の要件を満たすための二重化構成やRTOの算出」が頻出。午後II論文では、クラウド移行や基幹刷新の論述において『IPAの非機能要件グレードを活用し、可用性と性能の目標値を業務部門長と事前に握り、過剰なインフラコストを抑制した』と書くとプロの筆致になる。
小論文で使える実践フレーズ・キーワード(クリックでコピー)
関連する重要用語
この用語が出題された過去問を解く(1分演習)
即時アウトプットで定着ITストラテジスト 過去問演習で実践力を鍛える
