セキュリティ・法務・リスクマネジメント 重要度:★★★出題: AM2・PM1・PM2
BIA(ビジネスインパクト分析)
びーあいえー / びじねすいんぱくとぶんせき / Business Impact Analysis (BIA)
業務中断に伴う金銭的損失や社会的信用失墜の影響度を時系列で分析し、優先して復旧すべき中核事業とRTO/RPOを決定する手法。
3行速習ポイント
- すべてのシステムを同時に即時復旧させるのはコスト的に不可能なため、客観的基準で復旧優先順位をランク付けする。
- 財務的影響(売上損失、違約金)と非財務的影響(人命、顧客離反、法的ペナルティ)を評価する。
- BCP策定の第一歩であり、ITストラテジストが事業部門と綿密に協議して合意形成を行う。
図解
図BIA(ビジネスインパクト分析)の実施ステッププロセス・手順フロー
損害額の時系列分析からRTO目標値の合意へ▶ 進行順序:1. Step 1➔2. Step 2➔3. Step 3➔4. Step 4
11. 全業務の棚卸し
Step 1業務一覧の整理
全社の各部門が遂行している日常業務を網羅的に洗い出し、それぞれの業務が依存しているITシステム、データベース、外部回線、要員・拠点を紐づける。
22. 影響度(損失)の試算
Step 2時系列インパクト評価
各業務が1時間、半日、1日、3日、1週間停止した場合に発生する売上機会損失、賠償金・違約金、法的制裁、顧客信用失墜を時系列で定量・定性試算する。
33. MTPDと重要業務の特定
Step 3最大許容停止時間
企業の存続や社会的信用が維持できなくなる限界点である最大許容停止時間(MTPD)を特定し、最優先で復旧すべき中核業務(Tier 1)を絞り込む。
44. RTO / RPO の正式合意
Step 4IT要件への落とし込み
特定した重要業務ごとに「RTO≦MTPD」を満たす目標復旧時間(RTO)と目標復旧時点(RPO)を策定し、必要な冗長化投資額とともに経営陣と正式合意する。
💡 午前II・午後Iでは「RTO≦MTPD(最大許容停止時間)」の原則が頻出。全業務を一律二重化せず、BIAで算定した時間あたり損失額に基づき復旧優先順位を決める。
概要と本質
BIAは、BCPの土台となる分析プロセスです。「この業務が1時間止まったらどうなるか?24時間止まったら?1週間止まったら?」をシミュレーションし、企業の存続を左右する「最大許容停止時間(MTPD:Maximum Tolerable Period of Disruption)」を算出した上で、それより短い時間にRTO(目標復旧時間)を設定します。
重要ポイント・コア概念
- 重要業務の特定:収益の大半を稼ぐ主力事業、社会的責任の大きいサプライチェーン中核機能を抽出
- 影響度の時系列評価:停止時間の経過とともに幾何級数的に膨らむ損害額をグラフ化
- ボトルネック資源の洗い出し:重要業務を動かすために最低限必要なITシステム、人、データ、拠点を特定
- 過剰投資の抑制:優先度の低い社内業務は復旧順位を下げ、インフラ二重化の巨額コストを賢く配分
試験対策・午後II論文での活用法
午前IIで「BIAの目的(重要業務の特定とRTOの決定)」「MTPDとRTOの関係(RTO ≦ MTPD)」が問われる。午後I記述では、業務部門ごとの復旧希望時間をBIAの評価結果に基づいて精査し、全社視点で適正な優先順位へ調整するプロセスが問われる。
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