インシデント対応・フォレンジック 重要度:★★★出題: AM2・PM1

サイバーキルチェーン と MITRE ATT&CK

さいばーきるちぇーん / まいたーあたっく / Cyber Kill Chain / MITRE ATT&CK Framework
標的型攻撃の進行段階を7フェーズで定義したサイバーキルチェーンと、侵入後の攻撃者の具体的な戦術(Tactics)と技術(Techniques)を体系化したMITRE ATT&CK。

3行速習ポイント

  • サイバーキルチェーンの7段階:①偵察 ➔ ②武器化 ➔ ③配送 ➔ ④攻撃(エクスプロイト) ➔ ⑤インストール ➔ ⑥C&C(遠隔操作) ➔ ⑦目的実行
  • キルチェーンのどこかの段階を断ち切れば最終被害(情報窃取・暗号化)を阻止できるという多層防御の考え方
  • MITRE ATT&CK:実際の攻撃観測事例に基づき、初期アクセス・実行・永続化・特権昇格・防御回避・認証情報アクセス・横展開・情報収集・流出などのTTPをマトリクス化

図解

図サイバーキルチェーン(7段階)と MITRE ATT&CK 戦術の対応フロー
11. 偵察・武器化・配送・初期侵入
侵入フェーズ
公開情報調査・標的型メール送付・VPN脆弱性悪用
【防御策】公開資産管理(ASM)、SPF/DKIM/DMARCとサンドボックス検査、境界機器の迅速なパッチ適用とMFA強制
22. 実行・永続化・特権昇格 (ATT&CK)
内部潜伏フェーズ
環境寄生型攻撃 (LotL)・レジストリ/タスク登録・権限奪取
【防御策】PowerShell等のスクリプト実行監視(EDR)、最小権限の原則、特権ID管理(PAM)、脆弱性緩和機構
33. 内部偵察・横展開・C&C通信
拡大・遠隔操作
AD探索・Pass-the-Hash・外部C2サーバとの遠隔指令通信
【防御策】マイクロセグメンテーションによる東西通信制限、プロキシ/DNSフィルタによるC2通信遮断、NDR/SIEM相関検知
44. 目的実行(情報窃取・ランサムウェア暗号化)
最終目的阻止
重要データの外部送信(Exfiltration)と一斉破壊の阻止
【防御策】DLP/CASBによる大量アップロード遮断、EDRによる端末自動隔離、オフライン・イミュータブルバックアップからの復旧
💡 万一初期侵入を許しても、C&C通信遮断や横展開(ラテラルムーブメント)封じ込めによってキルチェーンを途中で断ち切れば最終被害を阻止できる

概要と本質

標的型攻撃(APT)やランサムウェア攻撃は単発の事象ではなく、初期侵入から内部偵察・権限昇格・横展開を経て最終目的を達成する一連のプロセスです。サイバーキルチェーンとMITRE ATT&CKは、自社の検知・防御カバレッジの穴を特定し、脅威ハンティングを行うための共通フレームワークです。

重要ポイント・コア概念

  • 永続化(Persistence):再起動後もバックドアを維持するため、レジストリのRunキーやタスクスケジューラ、サービス登録、Webシェル設置を行う手口
  • Living off the Land(環境寄生型攻撃:LotL):マルウェアファイルを置かず、OS標準の管理ツール(PowerShell, WMI, certutil, PsExec等)を悪用してEDR等の検知を回避する手法
  • C&C(Command and Control)通信遮断:万一マルウェアがインストール(第5段階)されても、プロキシやDNSフィルタリングでC2サーバとの通信(第6段階)を遮断すれば遠隔操作と情報流出(第7段階)を防げる

午後記述・情報セキュリティ対策での攻略ポイント

午後試験のインシデント対応事例では、まさに攻撃者がこのフェーズ通りに社内を侵害していきます。「攻撃者が再起動後も侵入を維持するために行った操作(永続化)」「C2通信の遮断による目的実行の阻止」の文脈で問われます。

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