経営戦略・事業戦略
午前II午後I午後II論文
重要度:
バリューチェーン
よみがな: ばりゅーちぇーん
英語名称・略称: Value Chain
1行要約(本質)
企業の諸活動を「主活動」と「支援活動」に分類し、どの活動で付加価値とコストが生じるかを分析する手法。
3つの重要ポイント
1
購買物流から製造、出荷、販売、アフターサービスに至る価値連鎖を可視化する。
2
各活動のコストドライバーと付加価値源泉を特定し、ボトルネック解消やIT導入ポイントを導出する。
3
午後I・午後IIでは、バリューチェーン全体の最適化(SCM連携や部門間データ統合)の論述で必須。
構造・プロセスの図解
図ポーターのバリューチェーン構造
支援活動と主活動が一体となって顧客価値を創出し、マージン(利潤)を極大化する支援活動(Support Activities)全社共通プラットフォーム・IT基盤
全般管理・インフラ
企業全体の基盤。ERPやITガバナンス体制が主活動全般を統率・支援。
人事・労務管理
DX推進・IT活用を支えるデジタル人材の育成と組織ケイパビリティ強化。
技術開発
クラウド基盤、自動化アルゴリズム、製品/サービスを差別化するコア技術の創出。
調達活動
最適な原材料や外部ITサービス、ベンダーリソースの戦略的調達とコスト統制。
主活動(Primary Activities)直接的な付加価値創出フロー(左から右へ連鎖)
11. 購買物流
Inbound Logistics
原料・部材受入、倉庫保管、在庫管理。IoT/RFIDによるリアルタイム在庫可視化。
22. 製造・運用
Operations
加工・組立、サービス運用。MES(製造実行システム)やスマートファクトリー化。
33. 出荷物流
Outbound Logistics
受注処理・配送管理・納品。自動仕分けロボットや配送ルート最適化アルゴリズム。
44. 販売・マーケ
Marketing & Sales
広告宣伝・価格設定・提案営業。MA(マーケ自動化)やCRM顧客データ統合。
55. サービス
Service
設置・保守点検・アフターケア。IoT予兆保全やカスタマーサクセスによるLTV向上。
マージン
(利潤・付加価値)
価値 > コスト
価値 > コスト
💡 ITストラテジストの論述ポイント:「各活動をサイロ化させず、購買物流からアフターサービスまでをERP/SCM/CRMでエンドツーエンド連携し、全社リードタイム短縮とマージン極大化を図る。」
概要・背景・本質
マイケル・ポーターが提唱したバリューチェーン分析は、原材料の調達から顧客へのアフターサービスまでの一連の活動を分解し、最終的な企業のマージン(利潤)がどこで生み出されているかを解明します。ITは主活動各工程の自動化だけでなく、支援活動(調達・技術開発・人事・インフラ)との情報共有を促進して全体最適をもたらします。
コア概念と着眼点
- 主活動:購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービス(アフターケア)
- 支援活動:全般管理(インフラ)、人事・労務管理、技術開発、調達活動
- 企業単体のバリューチェーンから、取引先・顧客を含めた「バリューシステム」全体の最適化へ発展
- ITストラテジストは、部門最適のサイロ化を打破し、連鎖全体のリードタイム短縮と付加価値増大を図る。
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午後Iの設問で「自社の業務プロセス上の課題」を問われた際、どの活動(製造なのか販売なのか)に課題があるかをバリューチェーンの用語を用いて的確に指摘する。午後IIでは、特定部門の改善に留まらず、前後の活動への波及効果まで言及すると高得点(A判定)に繋がる。