経営戦略・事業戦略
午前II午後I午後II論文
重要度:
アンゾフの成長マトリクス
よみがな: あんぞふのせいちょうまとりくす
英語名称・略称: Ansoff's Growth Matrix
1行要約(本質)
「製品(既存・新規)」と「市場(既存・新規)」の2軸で企業の成長ベクトルを4分類するフレームワーク。
3つの重要ポイント
1
市場浸透、新製品開発、新市場開拓、多角化の4つの成長方向性を提示する。
2
どの方向性を選択するかによって、求められるITシステム(CRM、EC、新プラットフォーム等)が全く異なる。
3
午後II論文では、新事業進出や新市場開拓(多角化や新市場)に伴うシステム企画の論述で定番。
構造・プロセスの図解
図アンゾフの成長マトリクス
市場(既存・新規) × 製品(既存・新規)【縦軸】市場:上段: 新規市場↔下段: 既存市場
【横軸】製品・サービス:左列: 既存製品──▶右列: 新規製品
⚡【アンゾフのリスク勾配】:市場浸透(低リスク) ──▶ 新製品/新市場(中リスク) ──▶ 多角化(最高リスク・最高リターン)
【左上・象限1】市場浸透戦略
リスク小既存市場 × 既存製品
既存顧客へのクロスセル・リピート率向上。CRM活用・UI改善・業務効率化。
【右上・象限2】新製品開発戦略
新機能既存市場 × 新規製品
既存顧客への新機能・新サービス提供。アジャイルPoC・データ利活用。
【左下・象限3】新市場開拓戦略
市場拡大新規市場 × 既存製品
既存製品の海外展開や新チャネル販売。越境EC・クラウド展開。
【右下・象限4】多角化戦略
高リスク高リターン新規市場 × 新規製品
全く新しい事業領域への参入。M&Aやオープンイノベーション基盤。
概要・背景・本質
イゴール・アンゾフが提唱した成長マトリクスは、企業が売上・事業規模を拡大する際の方向性を体系化します。既存市場・既存製品での「市場浸透」が最もリスクが低く、新規市場・新規製品への「多角化」が最もリスクが高いとされます。IT戦略においては、各方向性に応じたリスク管理とシステム要件の整合が求められます。
コア概念と着眼点
- 市場浸透(既存×既存):シェア拡大、リピート促進。CRMやレコメンドエンジン、既存業務効率化ITが有効
- 新製品開発(新規×既存):既存顧客向け新サービス。アジャイル開発による迅速なサービス立ち上げが奏功
- 新市場開拓(既存×新規):海外進出や他地域・他セグメント展開。マルチテナントSaaSやEC展開が適合
- 多角化(新規×新規):新技術×新市場。PoC(概念実証)やM&A、新IT基盤構築を伴う高難度投資
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午後II論文の設問アで「自社が取り組む成長戦略」を記述する際、アンゾフの成長ベクトルのいずれに該当するかを明記すると論述の骨子がブレなくなる。例えば『既存顧客基盤を活かした新サービス開発戦略』と定義した上で、アジャイルPoC基盤の導入を論述する構成が極めて有効。