IT戦略・ITガバナンス・投資評価
午前II午後I
重要度:
回収期間法(ペイバック法)
よみがな: かいしゅうきかんほう
英語名称・略称: Payback Period Method
1行要約(本質)
投資した金額を回収するのに要する年数を計算し、目標回収年数以内であるかで採否を決める簡便な評価法。
3つの重要ポイント
1
計算式:回収期間 = 初期投資額 ÷ 年間平均キャッシュインフロー。
2
お金の時間価値や回収後のキャッシュフローが無視される欠点があるが、資金流動性リスクの把握に強い。
3
実務では「3年以内に回収できるか」といったスピーディな一次スクリーニング基準として多用される。
構造・プロセスの図解
図回収期間法のタイムライン概念
投資額の累計回収ポイント(損益分岐点)の特定1Year 0: 投資実行
-3,000万円支出
システム構築・初期ライセンス調達費用。
2Year 1: +1,000万円
未回収残: 2,000万円
初年度の業務削減効果・人件費圧縮。
3Year 2: +1,000万円
未回収残: 1,000万円
2年目の削減効果。
4Year 3: 回収達成!
回収期間: ちょうど3年
累計回収額が初期投資3,000万円に到達。以降は純利益。
概要・背景・本質
回収期間法は、最も古くから使われている投資評価手法です。計算がシンプルで「何年で元が取れるか」が分かりやすいため、経営陣への説明が容易です。しかし、回収完了以降に莫大な利益を生む案件であっても回収に4年かかるなら却下されてしまうなど、長期的な富の最大化には適さない側面があります。
コア概念と着眼点
- 計算の簡便性:電卓で即座に算出可能、現場部門の理解が得られやすい
- 流動性重視:早期に投資資金を回収したいベンチャーや資金制約の厳しい企業に向く
- 理論的欠陥:割引計算を行わない(時間価値の無視)、回収後の利益を無視
- 割引回収期間法:時間価値を考慮して割引後キャッシュフローで回収年数を計算する改良版
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午前II計算問題で「回収期間を求めよ」「どの案が最も回収が早いか」が頻出。午後Iでは、回収期間法だけでなくNPVやROIと併用して多面的に投資判断を行ったプロセスを回答させる出題がある。