IT戦略・ITガバナンス・投資評価
午前II午後I
重要度:
IRR(内部収益率)
よみがな: あいあーるあーる / ないぶしゅうえきりつ
英語名称・略称: Internal Rate of Return (IRR)
1行要約(本質)
投資によって得られる将来キャッシュフローの現在価値合計と、初期投資額がちょうど等しくなる(NPV=0)割引率。
3つの重要ポイント
1
投資案件自体の「利回り(収益率)」を示す財務指標であり、パーセンテージ(%)で直感的に把握できる。
2
企業の要求収益率(ハードルレートや資本コスト)を上回っていれば投資適格と判定する。
3
午前IIでNPV法との対比や特徴が頻出する、投資意思決定の重要指標。
構造・プロセスの図解
図NPV法 vs IRR法 の対比
投資採算を測る2大財務アプローチNPV法(正味現在価値)理論的本命
絶対額(金額)で評価
企業価値が何円増えるかを測定。投資規模の大小を正しく反映でき、財務理論上最も優れている。
IRR法(内部収益率)直感的指標
利回り(%)で評価
案件自体の収益率を測定。直感的に分かりやすいが、投資規模の差(10億円の10%か、100万円の20%か)が隠れる。
概要・背景・本質
IRRは、NPVがあらかじめ割引率を設定して金額(円)で成果を出すのに対し、案件そのものの収益利回りをパーセントで算出します。経営陣にとって「このITプロジェクトは年利何%の投資に相当するのか」が直感的に理解しやすいため、役員会での説明で好まれますが、投資規模の違いを無視してしまう点に注意が必要です。
コア概念と着眼点
- NPV = 0 となる割引率 r を求める(複利計算の利回りに相当)
- 判定基準:IRR > ハードルレート(調達資本コストや目標利益率)であれば採択
- NPVとの使い分け:金額の規模感を見るならNPV、効率性(利回り)を比較するならIRR
- 留意点:キャッシュフローの符号が途中で何度も反転する場合、複数の解が生じることがある。
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午前IIで「NPVとIRRの関係」「IRR法の特徴」が問われる。『NPVがゼロとなる割引率がIRRである』『ハードルレートよりIRRが大きい場合に投資する』という基本定義を確実に覚えておくこと。