エンタープライズアーキテクチャ・システム企画
午前II午後I午後II論文
重要度:
レガシーモダナイゼーション
よみがな: れがしーもだないぜーしょん
英語名称・略称: Legacy Modernization
1行要約(本質)
老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存の基幹系システムを、過去の業務資産を活かしつつ最新技術基盤へ刷新する手法。
3つの重要ポイント
1
手法には「リホスト(クラウド移設)」「リプラットフォーム」「リライト」「リファクタリング」「リプレイス」等がある。
2
一括ですべて作り直す「ビッグバン刷新」の破綻リスクを避け、段階的・低リスクに移行するアプローチが主流。
3
経済産業省「2025年の崖」克服の処方箋であり、ITストラテジストが主導すべき最大の経営・IT変革課題。
構造・プロセスの図解
図主なモダナイゼーション移行アプローチ(3大手法)
リスクとコスト、変革の深さに応じた選択1. リホスト(リフト&シフト)
Rehost / Lift
コードを修正せずオンプレからクラウドIaaSへそのまま移設。短期間・低リスクだが根本解決にはならない。
2. リライト / リファクタ
Refactor / Rewrite
古い言語(COBOL等)をJava/Go等へ書き換え。ビジネスロジックを維持しつつクラウド最適化。
3. リプレイス(Fit to Standard)
Replace to SaaS
現行システムを廃棄し、標準SaaS/ERPへ全面乗り換え。業務を標準機能に合わせるBPRを断行。
概要・背景・本質
長年の増改築でスパゲティ化し、仕様書が失われ、担当者の退職で誰も手を出せなくなった「レガシーシステム」は、企業のDX推進の最大の足枷となります。モダナイゼーションは、動いている貴重な業務ルール(ビジネスロジック)を救出し、クラウドやマイクロサービスなどの最新環境へ安全に移し替えます。
コア概念と着眼点
- モダナイゼーションの「7つのR」:Retire(廃棄)、Retain(維持)、Rehost(リフト)、Replatform、Refactor(リファクタ)、Rearchitect、Replace(SaaS置換)
- ブラックボックスの可視化:現行ソースコードの静的解析、プロセスマイニング、業務マニュアルの逆引き棚卸し
- 段階的移行(ストラングラーパターン):重要度の低い機能から順次マイクロサービスへ切り出し、リスクを分散
- パッケージ標準への業務適合(Fit to Standard):個別カスタマイズを捨て、標準パッケージに業務を合わせるBPRの断行
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
ITストラテジスト試験で最も合格者を輩出している王道テーマ!午後II論文で『ビッグバン刷新の危険性を認識し、ストラングラーパターンによる段階的移行計画を策定。まず外部連携APIを整備し、顧客データから順に新クラウドへ切り替えて無事故でモダナイズを完遂した』という骨子は満点答案の典型。