エンタープライズアーキテクチャ・システム企画
午前II午後I午後II論文
重要度:
ストラングラーパターン
よみがな: すとらんぐらーぱたーん
英語名称・略称: Strangler Fig Pattern
1行要約(本質)
絞め殺しの木(Strangler Fig)が宿主を覆うように、レガシーシステムの外側に新機能を段階的に構築して最終的に置き換える移行手法。
3つの重要ポイント
1
マーティン・ファウラーが提唱した、大規模システムの「ビッグバン移行」の壊滅的リスクを避ける設計パターン。
2
Facade(ファサード)やAPI Gatewayを前面に置き、リクエストを新旧システムへ段階的に振り替える。
3
新機能のリリースと投資効果を早期に実感しながら、古いコードを少しずつ安全に消却できる。
構造・プロセスの図解
図ストラングラーパターンの段階的移行フロー
旧システムを壊さずに新システムへ徐々に通信を切り替え1Phase 1: ファサード配置
前面にAPI Gateway設置
全トラフィックがGatewayを経由。この時点では100%レガシーへ流す。
2Phase 2: 特定機能の切り出し
新サービスが一部肩代わり
新機能Aのみマイクロサービスで開発。Gatewayが機能Aへの通信を新側へ迂回。
3Phase 3: 段階的浸食
新機能B・Cの順次移行
旧システムの残存機能が徐々に縮小。新システムへの通信割合が80%超へ。
4Phase 4: 旧システムの停止
レガシー完全消却
全機能の移行完了を確認し、旧レガシーサーバーを電源OFF・完全廃棄。
概要・背景・本質
大規模な基幹システム刷新において、数年かけて一括で作り直してある日突然切り替える「ビッグバン移行」は、要件の陳腐化や稼働初日の大混乱を招きやすく非常に高リスクです。ストラングラーパターンは、前面にルーティング層(API Gateway)を設け、切り出せた機能から順に新マイクロサービスへ誘導し、旧システムの機能を徐々に枯死させていく最も安全なアプローチです。
コア概念と着眼点
- 変換(Transform):新しいマイクロサービスをクラウド上に開発
- 共存(Coexist):新旧システムが同時に稼働し、API GatewayがURLやリクエスト内容に応じて通信を振り分け
- 消却(Eliminate):すべての機能の移行が完了した時点で、空っぽになった旧レガシーシステムを完全に停止・破棄
- 即効性の効果:全機能の完成を待たずに、移行が済んだ機能から即座にビジネス価値を享受可能
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午後II論文でモダナイゼーションを論述する際の秘密兵器。『一括移行は業務停止リスクが許容できないため、ストラングラーパターンを採用。API Gatewayを導入してまず参照系サービスから新クラウドへ逃がし、次に更新系を段階移行することで、業務無停止での基幹刷新を完遂した』と書けば技術力・統率力ともにA判定確実。