経営戦略・事業戦略
午前II午後I
重要度:
デルタモデル
よみがな: でるたもでる
英語名称・略称: Delta Model
1行要約(本質)
ベストプロダクト、トータルカスタマーソリューション、システムロックインの3戦略オプションからなる戦略フレームワーク。
3つの重要ポイント
1
ハックスとワイルドが提唱した、製品中心から顧客との結びつき、エコシステム全体へ広げる戦略モデル。
2
三角形状(ギリシャ文字デルタ)の頂点に「システムロックイン」を配置し、業界標準化による囲い込みを目指す。
3
ITプラットフォームやOS、共通決済基盤を握ることで他社を自社システムに依存させる究極の優位性を示す。
構造・プロセスの図解
図デルタモデルの3大戦略ポジション
製品単体の競争から業界エコシステム支配へ頂点:システムロックイン (System Lock-In)
究極のエコシステム囲い込み
補完業者を巻き込み業界標準プラットフォームを確立(例: Windows, App Store)。
中間:トータルカスタマーソリューション
顧客との広範な親密性
顧客の抱える課題全体を包括受託・ITアウトソーシング等で解決。
底辺:ベストプロダクト (Best Product)
製品単体の機能・低コスト競争
自社製品のスペック向上や値下げ勝負。競争が熾烈で模倣されやすい。
概要・背景・本質
デルタモデルは、従来の「製品の優位性(ベストプロダクト)」だけでは持続的優位が保てないとし、顧客の課題を包括的に解決する「トータルカスタマーソリューション」、さらには補完業者(サードパーティ)も巻き込んで業界の標準基盤となる「システムロックイン(System Lock-in)」の3つのポジショニングを示します。
コア概念と着眼点
- ベストプロダクト:製品の低コスト化や機能差別化(最もコモディティ化しやすい)
- トータルカスタマーソリューション:顧客のニーズに合わせたカスタマイズや運用受託で高い親密性を築く
- システムロックイン:業界標準のプラットフォームとなり、顧客と補完業者を自社システムに完全に結びつける
- ITストラテジストは、自社製品の販売から、プラットフォーム化によるシステムロックインへの移行を構想する。
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午前IIで「デルタモデルにおける3つの戦略位置付け」として出題される。特に「システムロックイン」や「補完業者(コンプリメンター)の巻き込み」というキーワードが問われるため、用語の定義と3頂点の関係を確実に記憶しておくこと。