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分散DB・2相コミット・NoSQL・DWH 重要度:★★★出題: AM2・PM1・PM2

Sagaパターン(補償トランザクション)と結果整合性(BASE特性)

さがぱたーんとほしょうとらんざくしょん / Saga Pattern, Compensating Transaction & BASE
複数サービスに跨がる処理を各サービスのローカルトランザクションの連鎖として実行し、途中で失敗した場合は完了済みの処理を打ち消す「補償トランザクション」を実行して結果整合性を保つ分散設計パターン。

3行速習ポイント

  • 2相コミット(2PC)のように複数DBに跨がってロックを保持し続けないため、高可用性・高スループット(BASE特性)を実現できる
  • 一方で、ローカルトランザクション間の中間状態が外部から見える(分離性Isolationが緩和される)ため、取消完了まで一時的な不整合状態が生じ得る
  • API再送やメッセージ重複に備える「べき等性(Idempotency:履歴テーブルでの処理済みチェック)」と、同時更新を防ぐ「セマフォフラグ(更新中フラグ)」の実装が必須

図解

図Sagaパターンと補償トランザクションの流れ
11. 先行サービス更新
Local Tx 1
ローカルトランザクションT1を即時コミット(更新中フラグON)
22. 後続サービス失敗検知
Failure
通信タイムアウトまたは業務エラーを検知
33. 補償トランザクション実行
Compensate
逆操作T1'を実行して残高・履歴を復元し結果整合性を達成

概要と本質

令和7年午後II問1(コード決済事業者の決済サービスとポイントサービス)で正面から出題された、現代のマイクロサービス・分散DBアーキテクチャの最重要トピックです。ACID特性を厳守する2PCと、可用性を優先し結果整合性(Eventual Consistency)で整合させるSagaパターンの長所・短所・設計上の注意点を体系的に理解する必要があります。

重要ポイント・コア概念

  • 補償トランザクション(Compensating Transaction):後続サービスの処理が失敗した際、先行サービスで既にコミットされた残高減算や履歴登録を逆操作(加算更新・削除等)で論理的に取り消す処理
  • べき等性(Idempotency)の担保:通信タイムアウトによるリトライ時に二重決済・二重取消が起きないよう、履歴テーブルに「決済指示#(一意なリクエストID)」が既に存在するかチェックし、存在すれば処理を終了する
  • セマフォ(更新中フラグ)による排他:補償トランザクションが完了するまでの中間状態で別トランザクションが割り込まないよう、親レコードに「更新中フラグ」を持たせて先頭でTRUE、末尾でFALSEに更新する

午後I・午後II記述試験での攻略ポイント

午後IIで分散サービス間の非同期・API連携が出題されたら、①二重実行防止(履歴テーブルの指示番号チェック)、②中間状態での競合防止(更新中フラグのチェックと更新)、③補償トランザクションの具体的な逆操作SQL、④補償完了までに観測され得る一時的不整合(例:取消完了までポイント残数が消費された状態になる)の4点が必ず問われます。

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