トランスポート層・トラフィック制御 重要度:★★★出題: AM2・PM1・PM2
TCPコネクション制御・MSS調整・ウィンドウ制御
てぃーしーぴーこねくしょんせいぎょとえむえすえすちょうせい / TCP 3-Way Handshake, MSS Clamping & Flow/Congestion Control
3ウェイハンドシェイクによる信頼性通信の確立、経路MTUに合わせたMSS調整、およびスライディングウィンドウによる流量・輻輳制御技術。
3行速習ポイント
- SYN → SYN+ACK → ACKの3ウェイハンドシェイク時に、TCPオプションで互いのMSS(最大セグメントサイズ)とウィンドウスケーリング値を通知
- PPPoEやIPsec/GREトンネル等でMTUが1500バイト未満になる区間では、ルータのTCP MSS調整機能によりSYNパケット内のMSS値を書き換えてフラグメントを回避
- 高遅延(長距離WAN)かつ広帯域な回線(LFN)では、帯域遅延積(BDP)を満たすよう受信ウィンドウサイズを拡張してスループット低下を防止
図解
図TCP 3ウェイハンドシェイクとルータによるMSS調整(MSS Clamping)
1クライアント SYN 送信(MSS=1460)
Step 1標準MTU 1500前提でMSS=1460Bをセットして接続要求
2VPNルータで MSS 書き換え
Step 2トンネルMTU(例:1400B)に合わせSYN内のMSSを1360Bへ縮小
3フラグメントなしの最適サイズ転送
Step 3サーバ・端末双方が1360B以下のセグメントで通信し分割ロスを回避
概要と本質
TCPは順序制御・再送制御・フロー制御・輻輳制御を備えたコネクション型トランスポートプロトコルです。実務および午後試験では、カプセル化に伴うMTU減少時の「TCP MSS調整(MSS Clamping)」と、WAN遅延環境における「帯域遅延積(BDP = 帯域幅 × RTT)に基づくウィンドウサイズ設計」が最重要論点となります。
重要ポイント・コア概念
- MSS(Maximum Segment Size)は標準イーサネット(MTU 1500B)では IPヘッダ(20B)+TCPヘッダ(20B)を除いた 1460バイトが標準値
- IPsecやVXLAN等でカプセル化ヘッダが付与される場合、DFビット(Don’t Fragment)セット時のパケット破棄(PMTUDブラックホール)を防ぐためルータでMSSを調整する
- 1コネクションあたりの最大スループットは「受信ウィンドウサイズ ÷ RTT」で制限されるため、RTTが大きいクラウド間転送ではウィンドウサイズ拡大や複数セッション並列化が有効
午後I・午後II記述試験での攻略ポイント
午後I・午後IIでは「トンネル区間のMTUに合わせてTCPのSYNパケットのMSS値を小さく書き換えることでIPフラグメンテーションを防止する」「ウィンドウサイズ ÷ RTT で算出されるスループット上限」が頻出です。
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