経営戦略・事業戦略
午前II午後I午後II論文
重要度:
戦略マップ
よみがな: せんりゃくまっぷ
英語名称・略称: Strategy Map
1行要約(本質)
バランススコアカード(BSC)の4視点における戦略目標同士の「因果関係」を矢印で視覚化したダイアグラム。
3つの重要ポイント
1
キャプランとノートンが考案した、抽象的な戦略ストーリーを1枚の因果連鎖図にまとめる手法。
2
下層のIT基盤・人材育成が、いかにして最上層の財務リターン(売上・利益)に直結するかを証明する。
3
IT投資の正当性を経営陣や非エンジニア役員に分かりやすくプレゼン・合意形成する際の最強の武器。
構造・プロセスの図解
図戦略マップの因果連鎖モデル
下層(人材・IT)から上層(財務)へと矢印が連鎖し最終ゴールへ到達する仮説検証体系【因果連鎖のストーリー】
🌱 1. 学習と成長 (起点)➔⚙ 2. 内部プロセス➔🤝 3. 顧客の視点➔🏆 4. 財務の視点 (最終成果)
Level 4 (最上位ゴール)
1. 財務の視点:企業価値の最大化(売上拡大 & 利益率向上)
最上位成果ゴール(株主の視点)
🎯 KPI例:ROIC / 営業利益率 / フリーCF
ROE向上・キャッシュ創出・株主還元。事業活動の最終結実。
▲ 【因果連鎖】顧客ロイヤルティ・リピート増が売上・利益拡大を実現
Level 3 (市場・提供価値)
2. 顧客の視点:選ばれ続ける顧客体験の提供(NPS向上・離脱率低下)
市場・顧客での成果(提供価値の最大化)
🎯 KPI例:NPS / リピート率 / LTV
迅速なサポート対応・パーソナライズ提案・高いブランドロイヤルティ。
▲ 【因果連鎖】高品質・迅速な業務プロセスが卓越した顧客満足を生む
Level 2 (業務プロセス革新)
3. 内部プロセスの視点:業務自動化 & データドリブン意思決定の確立
業務オペレーションの変革(卓越すべき業務プロセス)
🎯 KPI例:業務リードタイム / 不良率 / 自動化率
サプライチェーン可視化・受発注リアルタイム処理・リードタイム短縮。
▲ 【因果連鎖】変革人材とIT基盤の強化が業務プロセスのDXを駆動
Level 1 (戦略の起点・基盤)
4. 学習と成長の視点:DX人材の育成 & 最新クラウド・AI基盤の整備
すべての変革の土台(人材・組織・ITインフラ)
🎯 KPI例:DX人材数 / データ基盤活用度 / 組織アジリティ
データリテラシー研修・心理的安全性の高いチーム・アジャイル文化醸成。
💡 ITストラテジストの午後II論文・構成テクニック:「第1章で『経営陣の財務目標(財務)』を『顧客体験価値(顧客)』へ展開し、それを実現するための『新基盤導入(内部プロセス)』と『社員のリスキリング(学習と成長)』へと段階的に分解したロジックを示すことで、論理的一貫性が完璧なA判定論文を構築できる。」
概要・背景・本質
戦略マップは、「なぜITシステムを導入するのか」「その投資が最終的にどうやって利益になるのか」という一連の仮説をストーリーとして可視化します。各視点に置かれたバブル(戦略目標)が矢印で上向きに連結されることで、現場のIT活用が経営成果にどう結びつくかのロジックが誰の目にも一目瞭然となります。
コア概念と着眼点
- 学習と成長:データサイエンス研修、クラウドデータレイクの構築
- 内部プロセス:顧客行動データのリアルタイム分析、パーソナライズ販促の自動化
- 顧客視点:顧客の購買体験向上、信頼度(LTV)の大幅向上
- 財務視点:既存顧客リピート売上増加、営業コスト削減による営業利益率の向上
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午後II論文の構成を練る際、頭の中で戦略マップの4段(学習➔プロセス➔顧客➔財務)を組み立ててから文章化すると、論述の一貫性が完璧になり絶対に破綻しない。ITストラテジストとして「IT導入そのものが目的ではなく、経営目標達成のための手段である」という大原則を体現できる。