エンタープライズアーキテクチャ・システム企画
午前II午後I午後II論文
重要度:
非機能要件グレード
よみがな: ひきのうようけんぐれーど
英語名称・略称: Non-Functional Requirements Grade (IPA)
1行要約(本質)
IPAが策定した、可用性・性能・運用保守性・移行性・セキュリティ等の非機能要件を客観的に合意するための標準ツール。
3つの重要ポイント
1
6つの大項目(可用性、性能・拡張性、運用保守性、移行性、セキュリティ、システム環境)から構成される。
2
「24時間365日止めないで」といった過剰要求(コスト肥大化)を防ぎ、システムの重要度に応じた適正水準を合意する。
3
午後I記述・午後II論文において、非機能要件の検討漏れを防ぐ鉄板フレームワーク。
構造・プロセスの図解
図非機能要件グレードの6大項目(IPA)
システムの信頼性と品質を担保する6本柱1. 可用性
稼働率・RTO/RPO
冗長化、障害時フェイルオーバー、目標復旧水準。
2. 性能・拡張性
レスポンス・スループット
応答時間、将来データ増へのスケールアウト耐性。
3. 運用・保守性
バックアップ・監視
24/365監視体制、バックアップ頻度、保守工数。
4. 移行性
データ移行・並行稼働
移行期間、移行リハーサル、旧環境からの名寄せ。
5. セキュリティ
暗号化・アクセス制御
認証認可、ログ監視、脆弱性対策、情報漏えい防止。
6. 環境・エコロジー
設置場所・耐震・省電力
データセンタ立地、耐震基準、消費電力基準。
概要・背景・本質
「画面が動くか」「計算が合うか」といった機能要件に比べ、非機能要件は目に見えにくく、後から「レスポンスが遅い」「夜間バッチが終わらない」「バックアップから復旧できない」といった重大インシデントに発展しがちです。非機能要件グレードは、システムの社会的重要度(モデルシステム)に応じてグレード1〜5を選択し、約240の評価項目をチェックシート形式で漏れなく合意します。
コア概念と着眼点
- 可用性(Availability):目標稼働率、年間ダウン許容時間、目標復旧時間(RTO)、目標復旧時点(RPO)
- 性能・拡張性(Performance):ピーク時トラフィック、画面応答速度(2秒以内等)、将来データ増加耐性
- 運用・保守性(Operability):バックアップ運用、監視体制、パッチ適用方針、計画停止スケジュール
- セキュリティ(Security):アクセス制御、通信・保存時暗号化、ログ監査、脆弱性診断基準
ITストラテジスト試験(午後I記述・午後II論文)での論述ポイント
午後I記述で「可用性の要件を満たすための二重化構成やRTOの算出」が頻出。午後II論文では、クラウド移行や基幹刷新の論述において『IPAの非機能要件グレードを活用し、可用性と性能の目標値を業務部門長と事前に握り、過剰なインフラコストを抑制した』と書くとプロの筆致になる。